腎臓内科とは
腎臓は血液をろ過して尿をつくることで不要な物質や毒素を体外に排出させて、血圧・水分、ミネラルを調整し、骨の代謝を調整し、造血ホルモンを分泌するなど重要な役割を担っています。こうした機能が果たせなくなると、透析治療や腎移植などが必要になります。腎臓内科では、腎臓の疾患を治療し、腎臓の機能が低下した際にはそれを補う治療を行います。ただし、当院では透析や腎移植を行っていないため、腎機能を補う治療が必要な状態にならないための診断と治療を行っています。
腎臓の治療では、腎臓に加えて腎臓の影響を受ける身体全体を守ることを視野に入れることが不可欠です。当院では、できるだけ快適な生活を送っていただくために、さまざまな選択肢のご提案を行っています。お悩みや治療に関するご希望がありましたら、些細なことでも遠慮せず腎臓専門医の診察可能な当院受診をご検討下さい。
尿検査の異常・腎機能障害を指摘された方へ
会社の健康診断や大田区の特定健診で、
- 「腎機能障害の疑いがあります」
- 「クレアチニンが高いです」
- 「eGFRが低下しています」
- 「じん機能:要再検査」
と言われていませんか?
自覚症状がないと「様子を見よう」と思ってしまいがちですが、腎臓の病気は“症状が出る前”に対応することが最も重要です。
健診でよくある異常項目
eGFRが60未満
腎機能が低下している可能性があります。
3か月以上続くと慢性腎臓病(CKD)と診断されます。
クレアチニンが基準値を超えている
腎臓のろ過機能低下を示す代表的な指標です。
たんぱく尿
腎臓のフィルターが傷んでいるサインです。
尿潜血
腎炎や結石、泌尿器疾患などの可能性があります。
放置するとどうなる?
慢性腎臓病は、
- 初期は無症状
- ゆっくり進行
- 気づいた時にはかなり悪化していることも
しかし、早期に対応すれば進行速度を遅くさせる可能性があります。
当院の特徴
当院では、
- わかりやすい説明
- 詳細な腎機能評価
- 高血圧・糖尿病の総合管理
- 腎臓・膀胱の超音波検査
- 慢性腎臓病の進行予防を目的とする栄養相談
- 適応がある方への早期治療介入
など、腎臓専門医による包括的な腎臓病のケアを行っております。
健診結果をお持ちいただければ、その場で詳しくご説明いたします。
よくある質問(健診で腎機能障害を指摘された方)
eGFRが55でした。すぐ透析になりますか?
いいえ。
eGFR55は軽度〜中等度の腎機能低下です。すぐ透析になる状態ではありません。
しかし、原因の評価と進行予防が重要です。放置すると徐々に悪化する可能性があります。
クレアチニンが少し高いだけでも受診すべきですか?
はい。
基準値を超えている場合は一度評価が必要です。体格や年齢によって意味合いが変わるため、専門的な判断が重要です。
自覚症状がないのですが受診した方がいいですか?
はい。
腎臓病は症状が出にくい病気です。症状が出た時には進行していることがあります。
再検査と言われましたが、どのくらい急いだ方がいいですか?
1〜2か月以内の受診をおすすめします。
数値が急に悪化している場合は、より早めの受診が望ましいです。
一度悪くなった腎機能は戻りますか?
慢性の場合は基本的に元に戻りません。しかし、進行を抑えることは可能です。
何科を受診すればいいですか?
腎機能障害を指摘された場合は、腎臓専門医の腎臓内科受診が推奨されます。
大田区で腎臓専門医が診察してくれるクリニックは数カ所しかありません。腎臓専門医が診察を行う当院をご検討いただけましたら幸いです。
急性腎不全と慢性腎不全
腎臓の機能が低下する腎不全は、急激に低下する急性腎不全、長い年月をかけて少しずつ悪化する慢性腎不全に分けられます。急性腎不全は適切な治療を受けることで腎機能回復の可能性がありますが、慢性腎不全で失われた機能は回復できる可能性がほとんどないとされています。
急性腎不全は、尿が出にくくなる乏尿、尿が出なくなる無尿などはっきりした症状が現れることが多く、こうした症状があったらすぐに受診することが重要です。
一方、慢性腎不全は初期症状に乏しく、腎機能が少しずつ低下して夜間頻尿、目の周囲や手足のむくみ、慢性疲労感、食欲低下、息切れ、皮膚のかゆみといった症状を起こします。状態の深刻さに比べて症状が軽いため受診が遅れることがありますが、失われた機能の回復ができないため、出来るだけ早期から腎臓専門医の介入により、悪化のスピードを抑えるきめ細やかな管理が必要となります。
腎臓の役割
- 血液をろ過して、不要になった物質や毒素を尿として体外に排出できるようにする
- 血圧の調整
- 水分・ミネラルの調整
- 骨とミネラルの代謝の調整
- 造血ホルモン分泌による血液量調整
腎臓疾患によって起こっている可能性のある症状
高血圧
腎臓は血圧のコントロールという役割も担っているため、腎機能が低下することで高血圧になる場合があります。高血圧は加齢や生活習慣によって生じることが多いため、腎機能低下が見逃されやすい傾向があります。なお、血圧が高い状態が続くと、血液をろ過する腎臓にも大きな負担がかかるようになり、腎機能の低下が進行しやすくなってしまいます。
顔や手足のむくみ
腎機能が低下すると余計な水分や塩分の排出が滞って、むくみを起こします。また腎機能が低下すると健康な状態では尿に含まれることがないたんぱく質が尿に溶け出して、血中のたんぱく質が不足してむくみを起こすこともあります。まぶたや手足はむくみの症状に気付きやすい場所です。全身にむくみが現れると呼吸困難を生じることがあり、とても危険です。むくみに気付いたら、できるだけ早く腎臓内科を受診してください。
尿量・色の変化
腎機能が低下すると、尿量の増加や減少を起こすことがあります。健康な成人の1日の尿量は1000~1500mlとされていて、腎機能低下が進行すると400ml以下になってしまうこともあります。
尿の色の変化では、濁りや赤み、泡立ちなどを起こすことがあります。尿の濁りは、尿路感染症などによって尿中に白血球が大量に含まれる膿尿が疑われます。赤みのある尿や泡が立つ場合には、尿中にたんぱく質や赤血球が出ている可能性があり、腎疾患が疑われます。
尿量や色などに変化を感じたら、早めにご相談ください。
たんぱく尿
尿中にたんぱく質が出ている状態です。健康な場合、尿にたんぱく質が出ることはほとんどなく、たんぱく尿が認められる場合は、腎臓に大きな負担がかかっていたり、炎症を起こしたりしている可能性があります。腎臓の炎症を放置していると腎機能低下が進行してしまいます。いくつかの原因によって生じ、原因によって適した治療も異なりますので、まずは原因を確かめることが重要です。健康診断などの尿検査でたんぱく尿を指摘されたら、できるだけ早く腎臓内科を受診してください。
尿潜血
尿に赤血球が混じっている状態ですが、微量なため肉眼では確認できず検査をして初めてわかります。肉眼でわかる程度の場合は肉眼的血尿と呼ばれています。尿潜血は血液のろ過装置である糸球体など腎臓の細かい組織に生じる疾患によって起こっていることが多く、肉眼的血尿は膀胱炎や尿管・尿道の結石や感染症、悪性腫瘍(がん)などが疑われます。疲労によって一過性の尿潜血を起こしていることもありますが、健康診断などの尿検査で尿潜血を指摘されたら、できるだけ早く腎臓内科を受診してください。
主な腎臓疾患
糖尿病性腎症 (DKD)
糖尿病の合併症のひとつです。腎臓で血液をろ過して尿をつくるフィルターの役割を持った組織が高血糖によって障害されたり、腎臓の毛細血管が障害されたりすることで腎機能が低下します。早期に発見できれば血糖を厳格にコントロールすることで腎機能の低下スピードを遅らせることができます。ただし、進行してしまうと治療をしても悪化を食い止めるのが難しくなっていきます。
慢性(糸球体)腎炎
年齢に関わらず発症する可能性がある疾患です。慢性腎炎にはいくつかの種類がありますが、日本で最も多いのは「IgA腎症」です。無症状のことが多く、健康診断の尿検査でたんぱく尿や血尿を指摘されて精密検査を受け、発見されることが多くなっています。腎臓の組織を採取して行う腎生検で確定診断が可能です。ステロイドや免疫抑制剤などによる治療を行い、血圧のコントロールが必要になることもあります。早期発見と、継続的な治療が重要な疾患です。
腎硬化症
腎臓の血管が動脈硬化によって硬くなり、血流が悪化して腎組織の機能が失われる疾患です。動脈硬化は、加齢、高血圧、脂質異常症、糖尿病、喫煙などによって進行します。動脈硬化を進行させる疾患がある場合には定期的に尿検査や腎機能のフォローを受けていることで早期発見が可能になります。
多発性嚢胞腎
遺伝的な要因が大きく関わって発症しますが、遺伝的背景がはっきりしない孤発例もあります。水風船に似た嚢胞が両側の腎臓に多発して大きくなり、腎臓の組織が障害されて腎不全に至ります。肝臓などの臓器にも嚢胞ができることもあります。症状がないことも多く、健診で発見されることもあります。心臓弁膜症や脳動脈瘤などの合併リスクが高く、定期的な全身の精密検査が必要です。
自己免疫疾患(膠原病)
腎臓には、血管と支持組織、血液をろ過して尿をつくるフィルターと結合組織、尿成分を調整する細胞などがあり、こうしたさまざまな組織が過剰な免疫反応によって障害を受けることがあります。腎臓に影響を与える自己免疫疾患は数多く、主なものに全身性エリテマトーデス(SLE)やANCA関連血管炎があります。早期に発見して、ステロイド薬や免疫抑制薬、生物学的製剤などを適切に組み合わせて治療することで症状を起こさない寛解状態を保ち、腎臓機能障害の進展の抑制が可能です。
ネフローゼ症候群
尿に大量のたんぱく質が流れ出てしまうため、血中のたんぱく質濃度が低下し、全身にむくみを起こします。1日3.5g以上の尿たんぱく排泄が認められ、血清アルブミン値 3.0 g/dl以下の低アルブミン血症の場合、ネフローゼ症候群と診断されます。
原因が不明な微小変化型ネフローゼもありますが、感染症、膠原病、血液疾患、悪性腫瘍など多くの疾患によってネフローゼが生じることがあります。自覚症状が目の周囲や手足のむくみ程度しかない場合でも、肺などにむくみを生じている場合があります。さらに、腎機能障害、免疫低下、血栓や塞栓といった血液凝固機能異常などのリスクも高くなるため、病歴、血液検査、画像検査、合併症、腎生検などを行った上で総合的に診断します。
原因疾患がある場合にはその治療が優先されますが、状態によりステロイド、降圧剤、利尿剤などの処方が必要になることもあります。急性期には安静と食事管理のために入院が必要になり、状態が安定したら退院して外来受診が可能になります。

