花粉症(アレルギー性鼻炎)

花粉症とは

花粉症とは 特定の植物の花粉がアレルギー症状を起こすアレルゲンとなって生じるアレルギー性鼻炎です。主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりなどで、目のかゆみや充血など目に症状を起こすことも多く、皮膚のかゆみ、頭痛、倦怠感、不眠などをともなうこともあります。 花粉症では早春のスギやヒノキによるものが有名ですが、カモガヤ、イネ、ブタクサ、ヨモギなど、花粉症を起こす植物は多岐に渡り、夏や秋に花粉が飛散して症状を起こすものもあります。
それぞれの植物が花粉を飛散させる時期は決まっているため、季節性アレルギー性鼻炎とされます。

花粉症の検査と診断

花粉症の検査と診断 スギやヒノキによる花粉症が多いのですが、他の植物による花粉症や、複数の植物の花粉がアレルゲンになっているケースもあります。春以外の決まった時期にアレルギー症状を起こす場合には、スギやヒノキではない花粉がアレルゲンになっている可能性があります。
アレルギー性疾患の治療は、アレルゲンになるものをできるだけ遠ざけることが基本になります。そのためには、血液検査を受けてアレルゲンを確かめることが重要です。

血液検査

血清総IgE定量検査は血中IgEの総量を調べる検査で、アレルギー体質の強さを確認できます。血清特異的IgE抗体検査では、花粉に反応する特定のIgEを調べてアレルゲンとなる植物を特定できます。
また、保険適用されたViewアレルギー39検査では、一回の血液検査で39種類のアレルギーを調べることができます。Viewアレルギー39検査は、スギ、ヒノキ、ハンノキ、カモガヤ、ヨモギ、ブタクサ、オオアワガエリの花粉アレルギーを調べることができます。さらに、ダニ、ハウスダスト、犬や猫、カビ、食品などの主要なアレルギーの有無も確認できます。

花粉の飛散シーズン前の受診が重要

花粉症の症状を効果的に抑制するためには、花粉飛散シーズン前のタイミングで治療を開始することが役立ちます。症状が出てから治療を行うよりも、飛散開始の2週間以上前に治療をスタートすることで同じ治療を行った場合も高い効果を期待できます。ただし、早期治療ができなかった場合でも、即効性のある治療が不可能というわけではありません。その場合もご相談ください。

花粉症と風邪の見分け方

2月から4月に症状を起こすスギ花粉症は、風邪が流行る時期でもあるため一般の方では見分けが難しいこともあります。くしゃみが出やすく、サラサラと透明な鼻水が長く場合は花粉症が疑われます。違いを知っておくことで、受診のタイミングや対策などを適切に行うことができ、症状緩和に役立ちます。

症状のある期間

  花粉症 風邪
症状のある期間 花粉が飛散する時期は症状が続く 数日程度で症状が緩和する
鼻水 サラサラ透明で水っぽい 黄色や白っぽく、粘り気がある
発熱 発熱しないことが多く、あっても微熱程度 高熱になることがある
イガイガなどの違和感程度 強い腫れや痛みを起こすことがある
頭痛 頭痛がないか、軽い頭痛程度 強い頭痛を起こすことがある
咳や痰 くしゃみを繰り返すが、咳や痰はほとんどない 咳や痰をともなうことが多い

治療

花粉飛散開始の2週間以上前から抗アレルギー薬を服用することで、飛散シーズンの症状軽減が期待できます。スギ花粉の場合には、1か月前から服用することで免疫応答によるヒスタミンの放出を抑制できます。これによって症状の発症を遅らせ、症状が出ても軽微に抑えられる効果につながります。
抗アレルギー薬には眠気という副作用がありますが、比較的眠気が少ない薬も登場しています。他に漢方薬の併用が有効なケースもあります。再診時に医師と相談して適した処方に微調整することで、より快適な生活につなげましょう。

予防対策

花粉症は、ある年に突然発症し、その後は毎年花粉の飛散時期に症状が現れます。花粉が飛散する前に治療をスタートすることが、シーズン中の症状軽減に役立ちます。そして、花粉にできるだけ触れないようにすることも重要です。
外出時にはマスクや眼鏡、帽子、花粉が付着しにくいツルツルしたコートなどをつけ、帰宅したら家に入る前に花粉をよく払いましょう。外出時に着たものは寝室に入れないようにして、うがいや手洗いをしっかり行ってください。
室内に外から花粉が入らないよう、洗濯や布団の外干しは控え、こまめに掃除して空気清浄機を使用しましょう。
また、十分な睡眠や休息、栄養バランスのれた食事などの生活習慣も症状改善につながります。

 

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