腎臓疾患

腎臓疾患について

腎臓疾患について 腎臓の疾患を内科的に診断・治療します。主な対象疾患は、慢性腎臓病(CKD)、腎結石、腎不全、糖尿病性腎症、高血圧性腎硬化症、糸球体腎炎、ネフローゼ症候群などです。健康診断で血尿や尿潜血、たんぱく尿を指摘された場合には、早めに受診してください。
また、心疾患や糖尿病、高血圧がある場合には、腎臓病の発症リスクが高くなりますので、定期的な受診をお勧めします。

主な症状・疾患

尿潜血

尿に赤血球が混じっている状態で、腎臓や、尿管、膀胱、尿道といった尿路に異常が起こっている可能性があります。尿潜血は疲労などで一時的に生じることもありますが、腎疾患がある場合、進行させて障害された機能を回復できないことも多いため、腎機能低下を防ぐためには早期発見が重要です。健康診断などで尿潜血を指摘されたらできるだけ早く腎臓内科を受診してください。

たんぱく尿

急性腎炎や慢性腎炎などによって起こっている場合と、糖尿病や膠原病といった全身疾患が原因で腎臓にも障害が及んで生じている場合があります。原因によって治療法が変わりますので、腎臓内科を受診して正確な診断を受けましょう。

慢性腎臓病(CKD)

慢性的な経過をたどる腎臓病をすべて含む総称です。腎臓は身体を正常に保つために不可欠な臓器であり、腎機能が低下すると深刻な多くの疾患の発症リスクも上昇してしまいます。慢性腎臓病は、20歳以上の成人の8人に1人が発症するとされていて、誰もがかかる可能性のある疾患です。高血圧・脂質異常症・糖尿病、そしてメタボリックシンドロームが発症に大きく関与するとされているため、こうした疾患がある場合には腎臓内科の受診をお勧めしています。

腎結石

腎臓内に結石がある状態で、できた場所によって腎杯結石、腎盂結石などに分けられます。大きくなったものはサンゴ状結石と呼ばれます。腎臓内に結石がある場合は痛みを起こすことがほとんどありませんが、結石が尿管に移動すると背中や腰に激しい痛みを起こします。尿検査、腹部レントゲン検査、超音波検査などによって診断し、痛みを緩和して排出を促す治療を行います、結石が大きく排出が困難な場合には破砕術や手術などが検討されます。

腎不全

腎機能が低下して腎臓が正常に働かなくなっている状態です。急性腎不全、慢性腎不全に分けられ、急性腎不全は早期の発見と適切な治療によって回復が見込めますが、慢性腎不全は低下した腎機能の回復は望めません。慢性の腎不全はゆっくり進行するため、早期に発見して腎機能の低下を抑制することが重要です。慢性腎不全が進行すると腎臓が機能を果たせなくなってしまうため、透析治療か腎臓移植が必要になります。

糖尿病性腎症

糖尿病の三大合併症のひとつです。腎臓で尿をつくっている糸球体の毛細血管が高血糖によって障害され、血流が悪化して尿をつくれなくなっていきます。早期に厳格な血糖コントロールを行うことで進行を遅らせることができます。進行すると人工透析が必要になり、現在日本で透析治療を受けている方の原因疾患として糖尿病性腎症は最も多いとされています。

高血圧性腎硬化症

高血圧が続くと、腎臓の血管の動脈硬化も進行して血管の内側が狭くなり、腎臓の血流が減少します。血流が減少すると腎臓は萎縮して硬くなり、機能を低下させていきます。現在日本で透析治療を受けている方の原因疾患として高血圧性腎硬化症は第3位を占めています。早期に発見して血圧を厳格にコントロールして、定期的に腎機能評価を受けることで、進行を抑えることが重要です。

糸球体腎炎

血液をろ過する糸球体に炎症を起こし、たんぱく尿や血尿が出る疾患の総称で、急性糸球体腎炎や慢性糸球体腎炎などがあります。
急性糸球体腎炎は、主にA群β溶連菌によって起こる咽頭炎や扁桃炎などの発症から1~3週間後に、たんぱく尿・血尿、尿量減少、むくみ、高血圧などの症状を起こす一過性の急性腎炎症候群です。年齢に関わらず発症しますが、比較的小児や若年者に多い傾向があります。安静、保温、そして水・塩分・たんぱく質の摂取制限を行って治療します。抗生物質、降圧剤・利尿剤を用いることもあります。適切な治療により後遺症を起こすことなく、回復できます。
慢性糸球体腎炎は、慢性腎炎であり、たんぱく尿や血尿が1年以上という長期間持続します。免疫反応異常によって生じるものが多く、たんぱく尿や血尿以外では、高血圧、むくみ、頭痛、倦怠感などが現れることがあります。抗血小板薬や抗凝固薬、降圧剤などによる薬物療法、減塩やたんぱく質制限などの食事療法を行います。激しい運動や過労を避ける必要もあります。

ネフローゼ症候群

大量のたんぱく尿が出る腎臓病の総称がネフローゼ症候群です。大量のたんぱく質が血液から失われてしまい、低たんぱく血症によって、むくみ、体重増加、倦怠感、下痢、腹痛、食欲不振などが起こります。また、尿が泡立って気付くこともあります。脂質異常症を合併することも多くなっています。
腎機能低下を抑制するためには、尿たんぱくを減らす治療を長期に渡って続ける必要があります。

倦怠感や慢性的な疲労感

原因不明の疲労感や倦怠感がある場合には、腎疾患が原因になっている可能性があります。慢性腎不全は特に早期の発見が重要です。疲れやすさやだるさを感じるようになったら、一度受診して腎機能を調べるようお勧めしています。

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